昨年は、いつもの年より1年間の時がとても短く感じられました。今年は丑年。のんびり、ゆったりそしてじっくり時を過ごしたいと思います。
牛たちの思い出から始めます。
いつも牛は牧場の柵を隔てて見るものだと思っていた。
ある時、沖縄の石垣島にある牧場へ行くことになった。「牧場の道を走って行くと、茅の刈れる所があるから、そこで茅刈りをしている。」ということだけ聞いて、車で向かった。
牧場を取り囲む道を走っていくのだとばかり思っていたら、途中で牧場の扉を開けて、牛の群れの中を通らないと、その場所にはたどり着けないことがわかった。
怖々、大きな鉄製の扉を開けた。でこぼこの土の道には水溜まりもあり、車輪をとられたらどうやって出るのだろう・・・道の両側には沢山の牛たちが見ていた。この中では観察されているのは人間の方。自分の心臓の音が聞こえてくるようだった。
今でも牛を見ると、あの日の光景を思い出す。
牛たちは優しい眼差しで道をあけてくれた。
投稿者:ゆんたく